ロゼット物語

製品篇 ~ロゼットを冠して、唯一無二のブランド戦略~

レオンの名前を潔く廃し、ロゼット洗顔パスタとして新境地へ

昭和26年発売のパッケージ

 模造からレオン洗顔クリームを守るだけでなく、原がさらなる飛躍を図って打ち出したのは「ブランド戦略」でした。1951(昭和26)年、漢方薬を製造していた「昭光製薬株式会社」を発売元とし、商品名も「ロゼット洗顔パスタ」に変更。そこに、世に知られたレオンの文字は何1つ残しませんでした。しかし原には、「洗顔料のパイオニアとしての品質と信頼は大きな武器。そして、他には真似できない宣伝力がある」という確固たる自信がありました。一般的な化粧クリームの値段が80円だった当時、ロゼット洗顔パスタは60g入りで280円。レオン洗顔クリームを発売した時も高額でしたが、この破格の値段設定にも、原の自信が表われていました。そしてその勝算通り、売上をぐんぐん伸ばしていきました。
 新しい名前に用いられたパスタとは、「粉を練り込みペースト状にしたもの」の意味があります。そしてロゼットは、優雅な「薔薇の花飾りや薔薇結びのリボン」を表しています。この薔薇模様の豪華さは、商品の高級感にも一致するイメージでした。現在も継承するバラダイヤのシンボルマークは、ここに由来しています。こうしてロゼットは、日本の洗顔料の代名詞的存在になっていきました。

押して出てくるユニークな形状で名実ともに独自人気ブランドに

当時と変わらないパッケージ

 ロゼット洗顔パスタの特長といえば、パッケージのユニークさを語らずにはいられません。一見すると、よくあるクリームが入っているような円筒形です。ところが蓋を開けてみると、直径約1cmの丸い穴が開いた内蓋でクリームが覆われており、これを両方の親指で押すと、中からクリーム状の洗顔料が出てくる仕組みになっています。「押すと出てくる」のは、実はチューブタイプと同じ原理でもあるのです。当時はまだ、化粧品用のアルミチューブがなく、クリームの繊細な硬度を保つために、この形状が採用されました。このようにして作られたパッケージは、レオン洗顔クリームから継承される軟膏のイメージにもつながり、現在もロゼット洗顔パスタ独自のデザインとして知られております。

高度成長期、期待の新製品発表

和味リーサイズが仲間入り 荒性肌タイプも加わりました ハワイへも進出 高級版も登場!「ロゼットダイヤモンド」 初のチューブタイプ

祖母・母・娘に受け継がれる、信頼の品質とブランド

 ロゼット洗顔パスタは1951(昭和26)年から現在まで、成分・容器などほとんど変っておりません。その生真面目なまでに真摯な姿勢に励ましの手紙をいただくなど、親子3代で愛用しているという熱烈なファンの方もたくさんいらっしゃいます。ニキビをケアする硫黄のほのかな香り、内蓋を押すと出てくる独自の形状、若い世代にとっては、容器のレトロ感も人気があるようです。
 永遠の定番として愛用者を増やし続けるロゼット洗顔パスタは、2008年に祖母・母・娘の役を配したテレビCMを打ち出し、変らない品質と信頼をアピールしています。80周年を迎える2009年には、新製品も登場し注目を集めております。